年収の壁・支援強化パッケージについて

厚生労働省は、10月に「年収の壁・支援強化パッケージ」を発表しました。概要は、以下①~④の4つです。

(1)106万円の壁への対応
① キャリアアップ助成金のコース新設
・キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」が新設され、3つのメニューが準備されています。
・キャリアアップ助成金は、社会保険適用の前(特例として令和6年1月まで)にキャリアアップ計画書を提出する必要があります。

(1)手当等支給メニュー
・事業主が労働者に社会保険を適用させる際に、「社会保険適用促進手当」の支給により労働者の収入を増加させる場合に助成されます。
・1年目:社会保険適用促進手当として賃金の15%以上を追加支給します。(1人あたり6か月ごとに10万円×2回)
・2年目:社会保険適用促進手当として賃金の15%以上を追加支給します。3年目以降以下の取り組みを実施します。(1人あたり6か月ごとに10万円×2回)
・3年目:賃金(基本給)の18%以上を増額します。(1人あたり6か月で10万円)

(2)労働時間延長メニュー
・所定労働時間の延長により社会保険を適用させる場合に事業主に対して、1人6か月で30万円(1回のみ)の助成が行われます。
 ①週所定労働時間を4時間以上延長したとき
 ②週所定労働時間を3時間以上延長し、賃金を5%以上増額したとき
 ③週所定労働時間を2時間以上延長し、賃金を10%以上増額したとき
 ④週所定労働時間を1時間以上延長し、賃金を15%以上増額したとき

(3)併用メニュー
・1年目:社会保険適用促進手当として賃金の15%以上を追加支給します。(1人あたり6か月ごとに10万円×2回)
・2年目:社会保険適用促進手当として賃金の15%以上を追加支給します。かつ、(2)記載の労働時間の延長と賃金増額を行います。(1人あたり6か月で30万円)

② 社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
・社会保険適用促進手当は、事業主が任意(支給の有無は事業主の判断)で、臨時かつ特例的に労働者の保険料負担を軽減するために支給する手当です。
・日本年金機構は、この社会保険適用促進手当を支給した場合、新たに発生した本人負担分の保険料相当額を上限として、保険料算定の基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の算定に含めないこととしています。

(2)130万円の壁への対応
③ 事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
・この措置は、被扶養者の収入確認にあたって、通常提出が求められる書類と併せて、一時的な収入変動である旨の事業主の証明を提出することで、雇用契約書等も踏まえつつ、増収が一時的なものかどうか確認されます。
・当然ながら、常態として被扶養者の要件に該当しないときや別居の場合に、被扶養者の年間収入が被保険者からの援助による収入額を上回るときには、被扶養者の認定が取り消されることとなります。

(3)配偶者手当への対応
④ 企業の配偶者手当の見直し促進

・厚生労働省は、企業が支給する配偶者手当(家族手当のうち配偶者を対象とするもの)が収入基準を設けていることが多く、就業調整の一因となっていることから、その見直しを促進する取組みを実施します。